春は別れの季節です

日常

以前読んだ小説かエッセイで「別れに船を選んではいけない。余韻が残り過ぎるから」こんな風なことが書いてありました。
何年も前、長男が高校を卒業し大学生活を京都で送るため、別府から大阪南港をつなぐさんふらわあ号で出発することとなりました。夜に搭乗し早朝に大阪に着きます。弟二人を連れてお見送りに行きました。私の実家が京都なので船旅は慣れたものです。
同じような年頃の子が親御さん達とデッキで別れを惜しんでいます。そんな中知った顔に出会いました。長男と小中一緒だった女の子のお母さんで、妹さんを連れてお見送りに来られていました。「元気でな!」「気を付けてな!」とそれぞれ船に乗り込むこども達を送り出し出発するまでの間おしゃべりをしていました。
わたし:女の子だし心配じゃないですか?
おかあさん:そんなでもないですよ。これから洗濯物も減るし、ごはん作るのも減るし楽になるかな?なんて思ってます(笑)
わたし:確かにね。居るとカサ高いですよね~。
などと他愛もないおしゃべりをしている内に、さんふらわあ号の吐き出す煙の量が多くなり、スロープが外され、ひまわりの絵柄が旋回をはじめました。時間をかけて重たそうに旋回を続けるさんふらわあ号。目的地の方角へ船首を向けていきます。やがてボォ~という汽笛と共に白い巨体が夜の海へと滑り出して行きました。そしてゆっくりとゆっくりとその姿は小さくなっていきます。
帰りにどこかでごはんを食べて帰ろうと弟達と約束をしていたので「お先に失礼します」と先ほどのおかあさんに挨拶をしようとしたのですが・・・遠ざかる船をみつめて声を殺して泣いておられました。何も言わずにそっとその場を離れました。
そうなんです。船はこんな感じになってしまうんです( ノД`)シクシク…




まめ
まめ

お笑いの要素が何もなかったにゃ

shoko
shoko

たまにはええやん。

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